インドで生活していると、1日の始まりは「交渉」からすべてが始まる。
私は日本人駐在員の方々と違い、現地にどっぷりと入り込んで生活をしていた、駐在員の方々には1台から2台は会社から社用車を与えられて、ドライバーもいて、なに不自由のない生活。
しかし、私は社用車等もなく、現地のバス、オートリキシャを使い、学校や会社に通勤していた。現地のインド人の方々と同じ様な生活で、学校や会社に行くまでが一苦労である。
オートリキシャに乗る際にも、価格は決まっていないので、まずは行き先を伝えて価格交渉から始まり、オートリキシャのドライバーも現地のインド人でないとわかると金額を倍額で吹っかけてくる。私も、なぜか日本人のプライドが表にでて負けたくはないと、朝一からインド人ドライバーとの価格交渉に挑む。
なぜか、このような場面で日本人としての帰属意識が芽生えるのである、、、帰属意識が対立構造を生んでいく。日本における多文化共生と同じような現象である。
さて、話を戻すと、価格交渉は終えて学校や会社に向かっていると、次はまさかのオートリキシャのエンジントラブル。1キロ程走って、ドライバーから「今日はエンジン不良だ、今すぐ降りてくれ」と当たり前まのように伝えられる。このような繰り返しで、通常15分で到着予定場所が1時間2時間かかってしまうのは、よくある事である。バスの際には、突然走行中にタイヤが取れたりと、予期しないことが頻繁に起こるのである。
インドには、世界のトップ校であるIITやデリー大学、ネルー大学等あるが、現在はインターネット社会で世界のどこにいても同水準の教育は受けれると思っている。
しかし、インド人の頭の良さとは、地頭の良さではないかと、現地生活が長かった自分からすると思うのである。なにをするにしても「交渉」、騙し合い、駆け引き、予期しないトラブル、この能力は社会に出た際に役に立つ、その上に、インド人の英語力、数学の力が活かされれば、世界一のビジネスマンになっていくのではないか、、、Googleやコカ・コーラ等世界の大手企業のトップはインド人である。
インド人の頭の良さとは、学問ではなく、日常生活に垣間見られるのである。
*写真はインド・デリー大学院時代の学び舎
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